子育てがもっと楽しくなりますように

保健所で7年間経験を積んだ心理士のブログです。実際に現場で働いて多くの親子でに関わる中で学んだことを元に、少しでも育児が楽しく楽になれるようなアイデアを、ブログを通して発信していきたいと思ってます。

子供の発達障害、多すぎないか

地方自治体の保健センターにて、心理士として働き続け7年ほどの歳月が経ちました。
仕事では主に、お母さんとそのお子さんに関わり、育児や発達の悩みなどといった相談を受けることが多いです。

その中でも特に多い相談が「この子は発達障害なのではないか?」という趣旨のものです。

もしくは、親御さんは子供の様子としては、いままで気にした事なかったが、

幼稚園や保育園で「子供さんの発達のことで気になるから健康センターで相談を受けてみてはどうか?」と指摘されて、相談にくるというケースも多いです。

発達障害を疑えば、早いうちに診断を受け、療育を受けさせることで、障害の程度によっては幼稚園などの集団生活の中での困りごとが軽減されるということは、確かに期待されることで、私もそのためであれば、適切な支援に繋げてあげたいという思いで、相談に携わっているのですが、数年前から、というか働き始めた時からなのですが、仕事を行う中である違和感と危惧を感じ始めたのです。

それは、発達障害疑いの子供の数が多すぎるということです。

ひどい時には、とある保育所の学級の中で約3割の子供たちが「発達障害なのでは」と疑われているケースもありました。

発達障害と疑われている子供の問題行動は多種多様ですが、集団活動が求められる年齢になってくると、特に問題になっているケースとしては「ひどく乱暴であり、落ち着きがない」「友達とトラブルを起こし困っている」というようなものがあげられます。

それらの問題行動に関して「環境を整える」「刺激を減らす」「目で見てわかるような指示の仕方を出す」といったような、発達障害の子に対する療育マニュアルのようなアドバイスをすることで、実際に発達障害の特性を持つ一部の子に関しては問題行動に改善が見られるのですが、全く効果が見られない子も多く、、、それでもなお「発達障害なのではないか」という視点のみでその子を捉えようとする、

最近非常にこういうケースが多いのです。

確かにその問題行動を起こす子は、グレーゾン的な特性を持ったお子さんである事が多いのは確かです。しかし、こういった問題行動を繰り返し起こし、尚且つ行動に改善が見られない子供達に対して、単に「療育指導マニュアル」どおりに関わろうとすることは、経験上正直あまり効果がないように思うのです。

じゃあ一体何が問題なのか、、

とても言いにくのですが、やはり愛着障害がベースの問題にある子供の数が増えてきていることの表れであると、個人的には思っております。

かつては子供の障害は「母原病」だなんてとんでもないことを主張する専門家がいたこともあるせいか、母子支援の仕事の中では「お母さんのせではありあせん」ということを強調し、どこか保護者の養育態度を指摘することはよくないという、暗黙の了解があるのです。

私も相談の中で「あなたの育て方が」だなんて口が裂けても言えませんし、自分もいくら子育てが下手であったにしても、そんなふうに他人から言われたくありません。

事実、今のお母さん方は昔よりも働く率も高くなっており、子育てで気軽に人に頼ることも難しく、育児の困難さがあまりにも大きいのです。

育児と仕事の両立、仕事をしてないにしても、あまりにも負担の大きいことを毎日頑張っている。中には閉塞感もある方もいるだろうし、苦しんでいる方もいっぱいいると思います。本当に毎日尊いことをされていると思います。

だから愛着の問題が子供たちのベースにある可能性はあるということで、安易に親御さんを非難したいということでは決してありません、

ただ、知って欲しいことは、親御さんが頑張っていてもどんなに子供を愛していても、それが何らかの状況によって、うまく子供に伝わらない結果、問題行動につながってしまうこともあるということなんです。

もし子供さんが、癇癪が強く乱暴で皆を困らせる行動を取っていたり

こだわりが強い、コミュニケーションが取りにくいと、幼稚園から指摘されたら、

発達障害を疑う前に、まずその行動の奥に何があるかを考えて、今までと違った関わり方や、対処の仕方を考えていくことが必要なのではないかと思います。

そのことによって問題行動が軽減したり、大きな変化が起こる可能性もあるのです。実際にそういう子を何人も見てきました。

このブログでは、発達障害の診断を急ぐ前に、ぜひ試して頂きたい、対処法などについて今後具体例をあげて綴っていきたいと思っております。

子供さんの問題行動で困っている方の力になれたら幸いです。よろしくお願いします。

 

 

#子育て#発達障害#過剰診断#愛着障害